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『セックスボランティア』 

「セックスボランティア」というのは、わたしにはむずかしいテーマだ。
北欧やオランダでは合法化され、自治体が助成するケースもあるという。
このテーマをとりあげたNHKラジオの番組を聴いたことがあるが、なまなましい障害者の声を紹介していた。それは男性だったが、女性のなかにもいるにちがいない。

『性・say・生』(2005/2/1発行・全日本手をつなぐ育成会)という冊子を入手して驚いた。
知的障害者に対する性のハンドブックなのだが、内容が充実していて、マスターベーションの方法について図解している。

以前に、高校生の機能障害のある息子をもつ母親から性について相談され、特集を組んでいる雑誌を送ったことがある。
上記の冊子があれば、たいへん参考になっただろう思う。


女帝エカテリーナ 

10月24日の夜、「山口智子 女帝エカテリーナ 愛のエルミタージュ」(日本テレビ)を観た。
女優の山口智子がロシア・サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館を訪ね、女帝エカテリーナと、10歳下の軍人ポチョムキンとの秘められた愛をひもとく壮大な番組。

女は男の手紙を焼いたが、男は女からの1162通の手紙を肌身離さずもっていたという。危険を承知で。
エルミタージュ美術館もすばらしいが、山口智子の衣装と靴がとても素敵で似合っていた。

ふたりは女の子まで授かっていた。
すべては秘密裡に行われた。
ポチョムキンの血を受け継いだ、黒い瞳の少女の絵が残されている。

ふたりの濃密な愛は20年間もつづいたが、最期は離別する。女には男が情熱を傾ける仕事のために旅立つのを許容できる器があった。
その地で男が病死したことを知った女は、泣きくれたという。
生涯に一度だけ、かけがえのない愛に生きることができた人間は幸せだ。そのぶん失ったときの苦しみも大きいけれど。

それにしてもエルミタージュ美術館に残された豪華な品々には驚愕する。
管理や修復に莫大な経費が費やされていることも窺えた。


澁井哲也著『ウェブ恋愛』(ちくま新書) 

筑摩書房のPR誌「ちくま」11月号に、『ウェブ恋愛』についての書評を深笛義也氏(ネットナンパ師・作家)が書いている。

氏が自己のウェブ恋愛体験を記しているのを、おもしろく読む。
氏は知人の主宰するBBSで7歳下の彼女(歌人)と出会う。
ふたりともホームページをもち、日記を書いている。
BBSで意気投合したふたりは会い、急速に親しくなる。
彼女は恋愛の推移をウェブ日記に逐一書き、関係が終わると罵倒した。別れてから半年、それは続いた。

氏はこう記す。
ウェブによって人間関係が希薄になったと言う人もいるが、そんなのは嘘だ。ウェブを介さないそれまでのどんな失恋よりも、痛みの感覚は強かった

このケースは出会いのきっかけはウェブ(BBS)だが、実際に会っている。交際期間は明らかにされていないが、ウェブ上のみの恋愛関係とはちがう。
ウェブを介さない失恋と、氏のケースの差異がどこにあるのか。そこにわたしは興味がある。
氏の失恋の痛みの感覚が強かったのは、ウェブ上での一体感が残像として消えないからなのだろうか。

恋愛には「結晶作用」があるが、ウェブ上でのそれは現実世界よりも強烈に作用するだろう、というのは想像できる。
恋愛とはそもそも誤解の上に成立しているのだが、ウェブ上では意外と人間の中味が露呈してしまう。
そこで身を晒したふたりの関係が、現実世界を経て壊れたので、失恋感覚が増すという理屈になるのだろうか。

そんな体験をしないと理解できない心理なのだろうな、ということだけはわかった。


シングルマザー 

シングルマザーが118万人に達したという。
30〜40代前半で76万人。離婚も増えている。
格差社会が進むとシングルマザーも増えるらしい。

母子家庭というよりシングルマザーというほうがオシャレだが、厳しい生活を強いられているケースが多い。
養育費を渡している父親が20%未満、という少なさには驚く。
一方で、子どもをおいて離婚した女性も増えているらしく、わたしの周辺にもいる。そんな場合は、子どもの世話は父親の母、つまり祖母がしている。

TVのドキュメンタリーに登場するシングルファーザーをみていると、シングルマザーのほうが安定感がある。
経済的に問題がなければ、父親役をある程度こなせる母親は多いだろう。
離婚していない家庭においても、父親がその役割を果たしているケースは多くないと思う。

男女の賃金に格差がなくなることが先決だが、夢だろう。


恋愛体験 

先日、ある女性から突然質問された。恋愛体験について。
お酒の勢いもあり、つい口が滑ってしまったように思う。とはいえ、かんじんなことは語らなかった。

彼女は現在進行形の恋愛について悩んでいるようにみえた。
自分がYesといえば、いまのパートナーと別れて、彼とパートナーになれるのだという。
それを聞いて、ものすごく心配になった。

生活をともにせずに、お互いに人間として成長できる関係を、わたしは模索している。そこには友情の要素が多分に加味される。
精神恋愛とでもいうべきか。

恋愛は相手によって関係性が異なるので、過去の体験は役に立たない。有効なのは、過去の恋愛でどれだけ学習できたかだろう。しかしこれも、アテにならない。

恋愛により、ひとは無様な自己をさらけだす。
無様さに芸が加わったとき、個性が光る。